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野球部 情報 - 管理人

2025/07/02 (Wed) 23:57:00

名将の父を継いだ34歳名門校監督の“苦悩” 理想と現実にギャップも…辿り着いた確信

★「高校野球は最後の教育の砦」…浦和学院・森大監督が語る指導論

就任当初はOBを通じて、父から「お前はまだダメだ」と厳しい声も受け止めてきた。浦和学院の森大(もり・だい)監督は、甲子園通算28勝の父・士(おさむ)氏が築いた伝統を受け継ぎながら、現代の選手に合わせた明るい野球を目指している。34歳の“2代目監督”が背負う重圧、自身が目指す理想、違う景色への挑戦がここにある。

指導の根幹には「高校野球は最後の教育の砦」という強い信念がある。自身の野球人生を振り返り、高校野球が持つ特別な意味を見つめ直したことで生まれた言葉だ。

「私もですね、高校野球をやらせてもらって、大学まで進ませてもらい、社会人企業で野球もやらせてもらったのですけど、その原点ってどこだってなると、高校野球なのかなと」

高校野球の意義について、選手たちの成長過程を目の当たりにすることで確信を深めている。「高校野球の現場に戻ってきて、率直に感じるのはこの選手たち、子どもたちが、高校野球を終えて自律した大人になっていくのだなっていうことです」。

教育の本質について、現代の指導論の変化を踏まえた考えを持つ。従来の一方的な指導から対話重視への転換が必要だという認識でいる。「教育って難しい言葉だなってとても感じていて、『教』えること、『育』むこと、この漢字2文字ですけど、指導者は、近年話題に挙がるようなティーチング指導からコーチング指導への変換が求められます」。

従来の「知識を教える」「指示する」スタイルから、「相手の答えを引き出す」「対話で気付きを促す」アプローチへ。変化の激しい時代では一律の正解が通用せず、自律的で創造的な人材育成にはコーチング型の指導が不可欠だ。勝利への道筋は複数あることを認識しながらも、教育的意義を重視した選択をしたいという思いを吐露した。

★どの名門高校にも存在する…理想と現実の“ギャップ”

勝利への道筋は多様であり、短期的な成果も重要だが、教育者としてはより深い視点を持ち、単なる勝利を超えた価値を選手たちに提供したいという思いがある。

「教育者としての立場から見ると、勝利という大きな目標を達成させることも監督として重要ですが、それ以上に野球人として、選手一人ひとりが良い意味で大人になった時のことを考えている。野球を続けていく選手も、野球を終えてセカンドキャリアを歩む選手も、高校野球が教育の最後の砦であり、自分の人生の原点だと振り返ってもらえるような3年間にしたいです」

理想と現実のギャップに苦悩する監督の率直な心境が表れている。

「両立って難しいですね。本当にもうそれが一番苦労していますね」

過去の栄光と現在のチーム状況との違いを冷静に分析した上で、OBからの視線と期待について複雑な思いは少なからずある。

OBとして当然、現在のチームを過去の浦和学院と比較してしまうが、前体制とは確実に異なる指導をしているため「いい意味でも悪い意味でも全然違う」と映ることを理解している。父が形成した浦和学院の良さを心の奥底で分かっていながらも、「父親と同じようなことはできない」という現実の中で、変化を受け入れてもらうことの難しさに複雑な心境を抱いている。父への敬意と自分なりの指導法への確信との間で心が揺れ動く。

★父が築いた前体制に寄せる深い敬意…自身の指導スタイルにも手応え

「やっぱり、前監督、父親の時の良さ、それを僕も持って卒業していますから。だからOBの皆さんが『やっぱり、浦学の良さってこれだよね』『ここでしょ、浦学って』とあるのは、心の奥底でも僕はわかっているんです。でも、それって父親が形成してきた浦和学院だから、僕はもちろんやりたいんですけど、僕は父親と同じようなことはできないというのはあります」

新体制の特色については、選手たちからの評価を通じて変化を実感。中学生たちの声から手応えを感じている様子がうかがえる。

「今の子どもたちって今のウチの野球の印象、最近やっぱりよく聞くのは、すごくメリハリがあって、明るさがある。なんかそんな印象をよく中学生の子たちが話してくれるんですよね」

現在のスタイルに自信を持てるようになってきた。父親が築いた前体制について、深い敬意を込めて振り返る。

「父の時代は本当に統率された厳しさや規律が重視されたチームでした。今の新体制では明るさや前向きさを大切にしており、そうした部分を見て入学してくれる選手たちがいることを嬉しく思っています。今の浦和学院を見て入りたいと言ってくれた選手たちを信じたいと思います。彼らが今の体制を信じて来てくれていることが、監督として一人ではないという大きな喜びです」

森監督の姿は、伝統の重みと時代の要請の間で苦悩する指導者の等身大の姿と言える。完璧を求めるのではなく、現在の選手たちと真摯に向き合い、自分なりの価値を見出そうとしている。

○森大(もり・だい)
1990年生まれ。父は甲子園優勝経験のある浦和学院前監督の森士(もり・おさむ)氏。浦和学院で2年生の時に控え投手、3年生の時に主戦投手として夏の甲子園に出場した。早大、社会人野球の三菱自動車倉敷オーシャンズでプレーし、25歳で現役引退。9年前に母校へ戻りコーチを務めながら、筑波大学大学院でスポーツバイオメカニクス(1年)、早大大学院で心理学(2年)を学び、現在は早大博士課程に在籍中。2021年夏に父が退任し、部長から監督に就任した。2022年春に甲子園出場した際は31歳で出場監督最年少。2023年夏も甲子園に出場した。

2025年7月2日 Full Count配信

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